§2.テンプレート
コマンドの入力をいちいち丁寧にやるのは、ある意味で素晴らしいとか律儀とかいえるけれども、それでは非常に効率が悪いでしょう。楽にいれる方法はないの でしょうか。といえば、あります。テンプレートです。目的はUNIXのヒストリーに近いですけど、全然別の代物だったりします。前のコマンドを主記憶装置 (メモリ)の内部にたくわえて、次の命令を入力する際に利用します。これを知っておくと知らないでは効率が全然違います。もっとも、応用できるかできない かでも違ってきますので、日々意識しておいてください。一時的に効率が落ちますが、その後飛躍的に上がります。さらに、効果的な物として DOSKEY.COMというものもありますが、これはDOS5.0以降の代物なので、ここでの説明は省きます。一応、DOS3レベルを想定してますので。 テンプレートの具体的説明ですが、一文字を完全な独立した物と考える必要があります。と言うのは、空白すら文字として考えなければならないということで す。例えば“DIR△*.COM”(△は空白)をコマンドとして実行させたとします。すると9文字分のメモリがテンプレート用として確保され、その中に “DIR△*.COM”が保存されます。これを、ファンクションキー(キーボード上部のF1~F10及びF11,F12(IBM)かVF01~VF05 (98))のF1~F5、F7を使用して操作するのです。何がメモリに入っているかは基本的に見ることができませんから、ある程度動作そのものを理解して おくことが必要でしょう。
機 能 | キ ー |
テンプレートから1文字コピーする | F1,→ |
テンプレートから指定文字(X)までの文字列をコピーする | F2 X*1 |
テンプレートから残りの文字列をコピーする | F3 |
テンプレートから指定文字(X)の前までの文字を削除する | F4 X*1 |
コマンド行の文字列をテンプレートにコピーする | F5 |
NULLコードを出力 | F6 |
テンプレートの1文字を消去する | F7 |
コマンド行の最後の文字を消去する | Del |
挿入モードに設定する、もう一度押すと解除される | ←*2,CTRL+H,← |
コマンド行の入力を取り消す | Ins |
改行する、しかしコマンドプロセッサにはコマンドを送らない | CTRL+J,CTRL+Enter |
コマンド行から1語削除する | CTRL+W |
*1)Xは任意の文字キー
*2)←は他機種のBSと同等
以上を理解(暗記は駄目)した上でいじって下さい。理解についてはこの時点では難しいので、実習を参考にしてください。そのときに、上の表は非常に役に立 つと思います。
実習2
テンプレートの使用例(コントロール・キーも学ぶ)
演習ではテンプレートの操作しか教えていませんが、時間がないのでコントロール・キーの操作方法も学んでいただきます。結構、無理がありますが、やり遂 げなくてはならないので・・・。できなくてもやる!!(無理かなぁ)
CTRL+S | 画面一時停止、なにかのキーを押すと再開 |
CTRL+N | 画面と同時にプリンタに出力。もう一度押すと通常に戻る。 |
CTRL+P | CTRL+Nと同様 |
テンプレート操作のキーと同等の物は省略
以上を納得した上で(それまでは自由に実習)以下のコマンドを入力して欲してください。
A>DIR
実行中にCTRL+C
A>DIR
実行中にCTRL+S、確認後任意のキーを押す。
A>DIRA (これは実行しません)
入力後CTRL+U
以上の動作をよくよく確認して欲してください。
実際はコントロール・キーはMSX-DOS用語でMS-DOSではコントロール・キャラクタと呼びます。
おまけ2
テンプレートは一つのコマンドしか記憶することができません。これに対し、はるかに効率の高い・・・つまり複数覚えることのできるものがあります。 DOS5.0以降のDOSKEY.COMがそれに当たります。これはまったく別の代物ですが、便利すぎる代物でもあります。今回は説明を省きますが、機会 があったら説明したいものです。